【協議会】看護管理能力育成研修同時開催講演「未来志向の訪問看護 ~えがけていますか、訪問看護の未来図~」」

令和7年11月15日
このたび、「未来志向の訪問看護 ~えがけていますか、訪問看護の未来図~」をテーマに、厚生労働省 医政局 看護課 看護サービス推進室 室長 初村 恵先生の講演を60名で拝聴いたしました。
2025年を迎え、団塊の世代が後期高齢者となった影響は現実のものとなり、今後は「2040年問題」が社会全体の主要課題となります。現役世代人口の急減に対応するためには、多様な就労・社会参加、健康寿命の延伸、医療・福祉サービスの改革を進め、“誰もがより長く元気に活躍できる社会”の実現を目指すことが重要です。
2020年から2040年にかけて、85歳以上の高齢者の救急搬送は75%増加、在宅医療需要は62%増加すると予測されています。さらに、2040年以降は入院・在宅患者数がピークを迎える見込みです。こうした状況において、従来の「量的拡大」だけでは対応できず、質の高い看護の提供が不可欠となります。
訪問看護の未来を描くためには、ICT活用による業務効率化、地域包括ケアシステムにおける役割強化、多職種連携の推進、看護師の専門性発揮が求められます。福井県の医療計画にも、訪問看護の推進と連携強化が明記されています。
私たちは、厚生労働省や福井県の医療政策に関心を持ち、地域医療構想や医療計画の確認、在宅医療・介護連携推進事業の理解、最新制度改正の把握に努める必要があります。また、訪問看護師の役割発揮に向けて、
- 利用者が満足できる質の高い在宅ケアの実践
- 法的根拠に基づいた安全な看護と記録
- ICT活用による業務効率化
- 地域住民への啓発活動
- 事業所内外での連携体制構築
が求められています。地域医療の中核として、「住み慣れた地域で自分らしく暮らす」社会の実現に貢献できるよう、今後も努力してまいります。
最後になりましたが、初村先生の凛としたご見識と穏やかな語りに触れ、多くの気づきをいただきました。貴重な講演に心より感謝申し上げます。
おた訪問看護ステーション 管理者 富永直子
